(1)製作について

またまた飛燕です。ファインモードの飛燕Ⅱ型は、機首のなだらかになったラインと垂直尾翼が大きくなった特徴を キチンと捉えていると思います。 又、冷却機のグリルも横二段に仕切られ好感が持てます。機首上段のエンジンカバーだけが全然噛合わないところ を除けば良いモデルでしょう。ディテ-ルアップは操縦席後部の梁に平面4つ正面2つピンバイスで穴を開けました。1/72でもこの穴は大事な 特徴だと思うのですが?

(2)雑感

 飛燕Ⅰ型のエンジンを性能向上したハ-140は量産が出来ずに、飛燕Ⅱ型は「首なし機体」だけが270余機も工場に並ぶ異常事態となった。 陸軍も急遽、空冷エンジンの換装を企画し、後の5式戦闘機となる皮肉な結末となった。海軍の彗星も同じ運命を辿っていた。 不思議な事に飛燕Ⅱ型は60機近くが実戦に配備された事になっているが、写真は航空審査部飛行実験機と水滴風防のⅡ型しか無いのである? 本当に配備されたのだろうか? そんなⅡ型がプラモデルになるのは、米軍横田基地に永らく展示され後に返還されたからに他ならない。 敗戦国なるが故に、日本の大戦機は実物が世界中探しても少ないのは悔やまれる・・・・。


Ⅱ型は機首が長くなって機体の印象が変わりました。

(2001/8/11)


(3)今は

終戦時福生飛行場で米軍に接収された元航空審査部のキ61-Ⅱ改17号機は、鹿児島県の知覧特攻平和会館に長らく展示されていましたが、2015年に岐阜県各務ヶ原航空宇宙科学博物館に移設され展示されています。 塗装を全て剝がしたジュラルミンの光沢が目立つ機体となりました。何故か印象に残るので在庫に在ったファインモールドの飛燕2型を 取り出して作ってみました。




(2022/6/11)